わかる! 血液検査の意味
総ビリルビン<非抱合型(間接)・抱合型(直接)ビリルビン>
- ポイント
- 総ビリルビンの数値が1.3 mg/dL以上の場合は肝臓や胆管の病気の疑いがあります。
- 基準値:総ビリルビン:0.2~1.2 mg/dL
- 出典:株式会社LSIメディエンス 臨床検査検査項目解説
解説
<健常時>
ビリルビンとは、古くなった赤血球が破壊されるときに生成される黄色い色素です。
ビリルビンは血液で肝臓に運ばれ、胆汁中に捨てられます。
肝臓で処理される前のビリルビンを「非抱合型(間接)ビリルビン」※1、処理された後のビリルビンを「抱合型(直接)ビリルビン」といい、あわせて総ビリルビンと呼びます。通常、総ビリルビンは血液中にごくわずかしか存在していません。
※1 抱合とは、ある物質をつけて水に溶けやすくする反応
<異常時>
肝障害により胆汁うっ滞※2が生じると、胆汁中の抱合型(直接)ビリルビンが血液中に漏れ出し数値が上がります。
非抱合型(間接)ビリルビンは、通常より過剰に赤血球が破壊されると数値が上がります。
また生まれつき非抱合型(間接)ビリルビンを抱合する酵素が少ない人は数値が上がります。
慢性肝炎、初期の肝硬変ではあまり上昇しませんが、肝硬変が進展、非代償化(肝不全の進行)してくると徐々に上昇していきます。
※2 何らかの異常で肝機能が低下し、肝臓内の胆汁の流れが悪くなること。また胆管に胆石が詰まった場合にも、うっ滞が生じることがあります。