肝(きも)の冷える話

「肝機能」ALT値31以上は要注意

肝(きも)の冷える関係。

久方ぶりにかつての仲間が集まった席でのことだ。懐かしい話も尽きるころ、誰からともなく体調や健康のことが口にのぼり、いささか肝の冷える話を耳にした。

「肝臓がやられると、糖尿病になる確率も増える」というのだ。肝臓といえば酒の飲みすぎ。誰もが一笑に付した。だが、言いだしっぺも、医者から聞いたんだからまちがいないと譲らない。そういえば肝臓には代謝機能があるぞと援護射撃するヤツも現れ、ロレツも怪しき百家争鳴は、黒白つかず、白熱した議論を楽しんで終わった。

シラフに戻ると気になり、調べてみた。すると、これが洒落ではすまされない話だった。

「肝機能が低下すると、
 糖尿病発症リスクが高まる」

「肝機能検査値のALT値が、一定値を超えると糖尿病発症を誘発する可能性あり」とある。ALTは、以前はGPTと呼ばれていて、肝機能が低下したり損傷すると、血中に漏れ出してくるらしい。つまり、血液検査でALTの値が高くなるほど、肝臓が傷ついているのだ。ALT31以上で注意信号とは、驚くほど低い。31以上になると、肝臓病はもとより糖尿病発症リスクも高まるという。

俗に『肝臓は沈黙の臓器』という。気づいたときには手遅れという事態は避けたい。医療機関の門を叩くのは億劫だが、まだやりたいことはある。これをお読みの諸氏も、ALT値31以上は要注意とくれぐれも肝に銘じておかれたし。

監修:帝京大学医学部内科 主任教授 滝川 一 先生