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肝細胞がん(肝がん)

概要

肝細胞がんは、肝臓から発生するがんのうち最も多くみられ、肝硬変など他の肝疾患との関係が深いがんです。なお、「肝がん」には、肝臓から発生するがんのほか、他の臓器から転移したがんも含まれますが、一般的に「肝がん」というと肝細胞がんをさします。

病因

肝細胞がんの原因の多くはC型肝炎ウイルスですが、B型肝炎ウイルスやアルコール、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)が原因になる場合もあります。 C型肝炎では、ウイルスに感染してから慢性肝炎、肝硬変を経て約30年後に肝細胞がんに至るというのが、よくみられる経過です。 一方B型肝炎では、肝硬変を経ずに肝細胞がんに移行するケースもあります。

症状・診断

肝細胞がんも他のがんと同様に、早期発見、早期治療が重要です。
しかし肝細胞がんに特有の症状はほとんどなく、症状からがんを疑うことは困難です。
早期発見のためには、慢性肝炎や肝硬変と診断されている患者さんは特に注意し、血液検査での腫瘍マーカー測定や、超音波検査などの画像診断を定期的に受けましょう。

治療

肝硬変を合併している症例が多いため、肝細胞がんの進行度と肝硬変の程度の2つを考慮して慎重に治療方針を決める必要があります。
日本肝臓学会が作成した『科学的根拠に基づく肝癌診療ガイドライン2009年版』が提示されており、通常わが国ではこのガイドラインを遵守した治療が行われています。